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北野天満宮、二条城、東寺でクラシックに浸る——Kyoto Music Caravan 2025が5月6日開幕

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東寺

 京都コンサートホール他が主催し2023年度に初めて実施された「Kyoto Music Caravan」が2年ぶりに行われる。今回は、北野天満宮、元離宮二条城、知恩院、東寺など京都が誇る観光名所に、開館30周年の京都コンサートホールを加えた全10ヵ所で、1年をかけてコンサートを開催。国内外で活躍する地元ゆかりの音楽家が出演する。クラシック音楽ファンの開拓を目指し、最終公演を除くすべてのコンサートが入場無料で楽しめる(別途拝観料あるいは見学料、事前申込が必要な公演あり)。
 4月10日、京都コンサートホールで神社仏閣の関係者が出席して記者会見が行われ、概要が発表された。

左より:高野裕子(京都コンサートホール プロデューサー)、丹治樹、柳野伽耶(以上打楽器、5/6公演出演)、らくの助(洛和会ヘルスケアシステム公式キャラクター)、矢野裕典(洛和会音羽病院理事長)、濱崎加奈子(有斐斎弘道館館長・伝統文化プロデューサー)、新谷仁海(総本山知恩院執事)、坂井良太朗(元離宮二条城所長)

新緑とともに個性豊かな音楽の魅力を

 開幕を飾るのは5月6日、北野天満宮 紅梅殿ステージで行われる京都市立芸術大学ゆかりの若手打楽器奏者たちによる「打楽器アンサンブル・コンサート」。プログラムには、1983年アメリカ出身のイヴァン・トレヴィノが作曲した、二人の打楽器奏者が1台のマリンバを挟んで向かい合って演奏するデュオ作品「2+1」など、見て聴いて楽しめる作品も並ぶ。
 5月はもう1公演、元離宮二条城 香雲亭で「木琴&ギター デュオ・コンサート」が開催。地元出身の木琴奏者・通崎睦美とギタリスト永田参男が、ヤコブ・ファン・エイクやルイス・デ・ナルバエスなどの16~17世紀作品のほか、スコットランド民謡やカントリー・ミュージックなどバラエティ豊かなプログラムを披露する。
 浄土宗の大本山、くろ谷 金戒光明寺での公演には、関西の若手弦楽器奏者による「クァルテット・アトリエ」が出演(6/1)。「アトリエ王国『旅する王様』」と題し、名曲がちりばめられたオリジナルの音楽劇が予定されている。

北野天満宮 紅梅殿
左:通崎睦美 右:永田参男
金戒光明寺 御影堂外観 ©水野克比古

夏の夜空に響きわたるブラス・サウンド

 祇園祭で街中が活気づく7月には、江戸中期を代表する儒者・皆川淇園(きえん)が創立した学問所、有斐斎 弘道館で、地元出身のギタリスト・山田唯雄によるソロコンサートが行われる(7/13)。世界3大コンクールのひとつ、ミケーレ・ピッタルーガ国際コンクールにて日本人として30年ぶりに優勝した俊英が、20世紀イタリアのカステルヌオーヴォ=テデスコ、サルスエラの巨匠モレーノ・トローバのソナチネなどを披露する。
 夏真っ盛りの8月11日は、壬生寺本堂での「金管五重奏コンサート」(19時開演)。奉納された1000灯以上の灯篭が夕闇を照らす幻想的な雰囲気の中、京都市立芸大出身で関西フィル首席トランペット奏者の池田悠人、同じくN響トランペット奏者の藤井虹太郎らによる輝かしいハーモニーが堪能できるだろう。

有斐斎 弘道館
左上より:池田悠人、藤井虹太郎、鎌田渓志、亀岡航紀、北畠真司

深まる秋を感じつつ、ここでしか聴けないサウンドに浸る

 秋の訪れを感じる10月。1598年創建の妙心寺 桂春院では「バロック・トリオ・コンサート」が開催(10/13)。国の名勝にも指定されている庭園を目前に、 第34回青山音楽賞新人賞にも選出されたリコーダー奏者・井上玲をはじめとする古楽器奏者3名のアンサンブルが繰り広げられる。
 26日は、知恩院 大方丈 鶴の間での「ハープデュオ・コンサート」。松村多嘉代と京響ハープ奏者・松村衣里の姉妹による「ハープデュオ・ファルファーレ」が奏でるグランド・ハープの音色が、秋の東山に響きわたる。
 紅葉シーズンの11月23日には、醍醐寺 霊宝館で「オーケストラ&合唱コンサート」。市立京都堀川音楽高等学校のオーケストラ&合唱が出演し、プーランクの2台のピアノのための協奏曲(独奏:山本祐梨子、明石幸大)などを披露する。

妙心寺 桂春院
知恩院
醍醐寺

この日だけのスペシャル・アンサンブルで全10公演を締めくくる

 2026年2月には世界文化遺産・東寺の客殿で、日本古楽界を代表する歌手と奏者、計7名による「バロック・オペラ&室内楽コンサート」(26.2/7)。通常は非公開の特別な空間で、鈴木美登里(ソプラノ)、中嶋俊晴(カウンターテナー)、大内山薫(バロック・ヴァイオリン)、西山まりえ(バロック・ハープ)らが古の響きを奏でる。限定50名で僧侶の案内による特別拝観も(特別拝観料2,500円、要事前申込)。
 Caravanを締めくくるのは、京都コンサートホールでの「ファイナル・コンサート」(3/14)。スペシャルサポーターの洛和会音羽病院の協力のもと、障がいの有無、大人・子どもに関わらず誰もが楽しめるバリアフリーコンサートを開催。地元出身の石上真由子(ヴァイオリン)、濵野芳純(オルガン)ら6名のアーティストが、サン=サーンス「動物の謝肉祭」やムソルグスキー「展覧会の絵」などを、この日のための特別編成で披露する。

上段左より:鈴木美登里、中嶋俊晴、大内山薫、西山まりえ
下段左より:石上真由子 ©Takafumi Ueno 右:濵野芳純

 開館30周年の京都コンサートホールが中心となり、文化芸術都市・京都のさらなる魅力を発信していく「Kyoto Music Caravan 2025」。歴史的建造物での新鮮な音楽体験で、あらたな喜びに出会えるだろう。

文:編集部
写真提供:京都コンサートホール

京都コンサートホール 開館30周年記念事業
Kyoto Music Caravan 2025

2025.5/6(火・休)~26.3/14(土)

Kyoto Music Caravan 2025 特設ページ
https://www.kyotoconcerthall.org/kyotomusiccaravan2025


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