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沖澤のどかが京都市交響楽団・2026年度定期演奏会ラインナップ記者会見に登場

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創立70周年にふさわしい豪華プログラムを早くも発表!

 京都市交響楽団は6月17日、2026年度定期演奏会ラインナップに関する記者発表を開催し、常任指揮者を務める沖澤のどか、楽団長の松井孝治(京都市長)らが登壇した。

左より:松井孝治(楽団長)、沖澤のどか(常任指揮者)、髙尾浩一(チーフプロデューサー)
©京都市交響楽団

 創立70周年、一つの大きな節目となる2026-27シーズンでは「イズムに誘う(いざなう)」がテーマに掲げられ、沖澤は4つの定期公演でタクトをとる。シーズンオープニングとなる4月・第710回は、「大事な場面でいつも取り上げてきた」と語るR.シュトラウスの「ドン・ファン」で華やかに幕開け。続いて、同年没後50年を迎える矢代秋雄のチェロ協奏曲を初演者でもある堤剛が独奏したのち、大曲「家庭交響曲」へとつなげる。

沖澤 「今年の3月に京響と、同じくR.シュトラウスの大編成作品である『英雄の生涯』に取り組みましたが、当初想定していた以上に、オーケストラが飛躍する可能性を後押ししてくれる、と感じました。そういった経験もあり、この作曲家の楽曲は定期的に取り上げていきたいと考えています」

 7月の第713回定期では“ジャポニズム”をテーマとし、邦人作曲家による京都市委嘱作品2曲にラヴェル「鏡」より〈海原の小舟〉〈道化師の朝の歌〉(管弦楽版)、そしてドビュッシーの「海」を組み合わせた独創的なプログラムが目を引く。

沖澤 「常任指揮者に就任したときに、まず京都市が委嘱した作品をリストアップしていただいて、一通りチェックしたのですが、中でも林光さんの『吹きぬける夏風の祭り』はそのお名前の通り“光って”聴こえたのです。以来いつか取り上げたいと思っていたので、“ジャポニズム”をテーマとしたプログラムの最初の作品として選びました。吉松隆さんのファゴット協奏曲『一角獣回路』ではウィーン・フィル首席のソフィー・デルヴォーさんがソリストを務めますが、彼女とはドイツの演奏会でも同じ作品でご一緒します。日本以外でも邦人作品を演奏したり、そこで『この人は!』と思った人を京都に連れてくるなどして、新たな風を吹き込ませることができれば」

©京都市交響楽団

 11月の第717回定期演奏会では、沖澤が同月指揮するボストン響公演でも共演する五嶋みどりが登場、ショスタコーヴィチの協奏曲第1番を披露。その前後を、バーンスタインの「キャンディード」序曲&フローレンス・プライスの交響曲第1番という、アメリカの作曲家の楽曲が彩る。

沖澤 「みどりさんとはスペインで一度、ブラームスのコンチェルトで共演しました。鬼気迫るほどの集中力を持った、本当に特別な方だと思っています。アメリカの作品はこれまであまり取り上げてこなかったのですが、このタイミングで違うスタイルにも挑戦したいと考えプログラミングしました。プライスのシンフォニーはほとんど耳なじみがないかもしれませんが、選曲の背景には、今年9月に演奏するルイーズ・ファランクと同じく『女性作曲家の優れた作品を取り上げていきたい』という思いがあります」

 そして年明け、2027年1月の第718回では、先日沖澤がタクトをとった都響公演でも話題を呼んだプーランク「2台のピアノのための協奏曲」、そして十八番のストラヴィンスキーから「火の鳥」の1910年全曲版を演奏する。

沖澤 「ソリストを務めるルーカス&アルトゥール・ユッセンのお二人は、一度ベルリンで『動物の謝肉祭』を演奏しているのを聴いたことがありますが、視覚的にも面白いぐらい本当に息がピッタリ! 弾けるような明るい音がするので、この曲はうってつけだと思います。『火の鳥』は、私がベルリン・フィルでアシスタントを務めていた頃にキリル・ペトレンコさんから大きな影響を受けた作品です。組曲はよく取り上げられますが、すべてを演奏することによって生まれるドラマというものが確実にあるので、今回全曲取り組むことには大きな意味があると考えています」

 首席客演指揮者のヤン・ヴィレム・デ・フリーントは、8月定期(第714回)に登場。十八番のシューベルト作品だけでなく、浜松国際での優勝以降飛躍を続ける鈴木愛美とベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番で共演するのも見逃せない。同楽団と縁の深い広上淳一は、27年2月定期(第719回)で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(独奏:ニコライ・ルガンスキー)&ショスタコーヴィチの交響曲第15番という“ロシアン”プログラムを披露する。客演陣も、チェコの新星アレナ・フロンによるオール・ドヴォルザーク(26年6月・第712回)、フィンランドの名匠ピエタリ・インキネン(27年3月・第720回)渾身の北欧プロなど、各人の持ち味を最大限に生かしたプログラムが並ぶ。

 沖澤が指揮する公演に合わせ、前年の6月という楽団史上最も早いタイミングで発表された2026-27シーズンの定期ラインナップ。一部のプログラムは、京都コンサートホール以外でも演奏される予定だという。飛躍を続ける沖澤&京響の次なる挑戦を心待ちにしたい。

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©京都市交響楽団

文:編集部
写真提供:京都市交響楽団


京都市交響楽団
https://www.kyoto-symphony.jp


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